【プレスリリース】海の許容量を超えたマイクロプラスチック
海の許容量を超えたマイクロプラスチック ―長期間安定後,2010年代に入り急激に増加開始―
東京大学農学生命科学研究科の髙橋一生教授の研究グループは,北太平洋表面に漂うマイクロプラスチックの量やサイズなどを長期的に調査した。
日本では,戦後から水産資源を調査する目的で採取された試料が膨大に保存されている。髙橋教授らは,保存状態の良いこれらの試料に着目し,1949年から2020年までに採取された試料中に残るマイクロプラスチックを時間をかけて拾い出し,その量やサイズなどを測定した。
世界最長の時系列試料解析によって,マイクロプラスチックの増加は1950年代に急激であったが,1980年代以降,2010年ごろまでは増加の速度が鈍る停滞期があり,その後の10年は再び急激に増加していることが明らかになった。
海表面のマイクロプラスチックの増加とともに,サイズが経年的に微細化していたことから,微細化はプランクトンなどの海洋食物網の中にプラスチックが取り込まれやすくなる危険性が高まってきていると考えられ,このことは地球の海洋生態系へのリスクが大きく増しているといえそうだ。
雑誌名:Environmental Science and Technology
題 名:Long-term changes in the abundance, size, and morphotype of marine plastics in North Pacific
著者名:Miyazono K, K Tadokoro, GGN Thushari, H Miyamoto, A Takasuka, M Watai, T Yasuda, T Sato, R Yamashita, T Kodama, K Takahashi
DOI :https://doi.org/10.1021/acs.est.4c09706
論文のプレスリリースは以下をご覧ください。
海の許容量を超えたマイクロプラスチック ―長期間安定後,2010年代に入り急激に増加開始―
東京大学トップページ(プレスリリース3月3日)
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東京大学農学生命科学研究科ページ
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20250303-1.html
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なお、水産研究・教育機構との共同リリースになっており、
https://www.fra.go.jp/home/kenkyushokai/press/pr2024/files/press_0303.pdf