News & Topicsニュース・トピックス

2025.01.08

【報告】専門家向けシンポジウム(2024年12月23日開催)

 

2024年1223日(月)10001740,東京大学本郷キャンパスにある伊藤国際学術研究センター3階の中教室で,専門家向けのシンポジウム,『東京大学-日本財団 FSI基金「海洋プラスチックごみ対策のための研究プロジェクト」シンポジウムー海洋プラスチックごみの科学的知見の充実に向けてー』を開催しました。

【対面】
 当日の対面参加者は,講演者とスタッフ17名と主催者側の来賓者7名を除くと13名で,事前登録の68%でした。来場された13名のうち,7名(54%)が大学関係者で,遠くは広島大学からの参加がありました。そのほかは,法人1名,企業から5名の参加をいただきました。

【オンライン】
 オンライン参加登録者者は,関係者2名を含め113名でした。
 関係者2名を除くオンライン登録者は111名。この内,学部・大学院生は26.1%(この内,学部4年生5.4%)で,大学関係者全て含めると55.9%となり,大体6割が大学関係でした。法人と企業で34.2%(内研究員22.5%),そのほかは国や地方行政,法人事務職などでした。
 当日にオンラインでの参加者は,確認できた範囲で最高74名,参加登録者の67%でした。アクセス履歴では積算で103名の参加。登録者以外にはURLを送っていないので,登録者の周りで共有されているなどの事情もあるかもしれません。数字としては参加登録された方の9割以上が視聴されていたことになります。全体としては,対面,オンラインともに熱心な参加者が多かったことがうかがわれました。

【アンケート結果】
 事前の登録の際に興味のある分野などを聞いていましたので,参加動機についてまとめてみました。おおまかに分けると4つの分野にわかれ,複数回答があった場合でも文意から推し測り割り振りました。

1. プラスチックの分布・挙動(37名)
 挙動の中には数値計算分野も含まれていました。また,河川での挙動や陸上からの流出過程に関心がある人も複数いました。海だけでなく,プラスチックが海に行く前からの動きに関心があるようです。さらに,海の中で軽いプラスチックが,どのように沈むのかということに関心のある人が複数いました。

2. 広く生体及び生態系への影響(19名)
 鯨類やサンゴなどの具体的な生物群を挙げて,その影響を危惧される方も多くいました。
 上記の19名には含んでいませんが,さらに具体的にはヒトへの影響(7名)や化学物質の影響(1名)を上げる人もいました。

3. 技術や手法(削減,回収,測定,影響評価)(11名)
 プラスチックに関する関連の技術や手法に関して,海底からの回収手法やモニタリング手法への関心が挙げられていました。さらに回収した後の評価などへの言及もありました。上記の11名のほかで,削減・緩和の手法の一つに入ると思いますが,生分解性プラスチック(4名)がありました。

4. 削減政策(10名)
 研究者のみならず,国行政や地方自治体担当者が関心を寄せる傾向にありました。この中には,捨てる側への対策,使い方,周知活動の在り方,代替製品の開発の進め方,河川を含めた陸域からの排出抑制策,国際的なルールなどですが,全体としては抜本的な削減政策を求める答えが多かったと感じました。

 大きく分けると上記の4つになりますが,それらに次いでプラスチック問題の現在地を知ることを目的に情報収集や現状把握(9名)。そのほか(4名)で,代替素材や循環経済に興味がある,という回答がありました。
 アンケートの回答内容はおおよそ本プロジェクトの研究範囲に合致したところにあり,多くの熱心な方々に参加いただいたと考えられました。

 【プログラム】

プログラムはダウンロードしてご覧ください。
20241223symposium_program.pdf