北太平洋外洋移行域表層のマイクロプラスチック分布実態を解明
東京大学と水産研究・教育機構のグループは,太平洋亜寒帯循環と亜熱帯循環の二つの流れの間にある,北太平洋外洋の移行域と呼ばれる広大な海域の東西4000kmの範囲の表層で,マイクロプラスチックの分布調査を行い,結果を発表した。
移行域西側の三陸沖と経度180度を超えた西経165度付近に,プラスチックが特に高密度に分布する海域があることを明らかにした。
165度付近海域では,これまで浮力が小さく外洋まで運ばれにくいとされていた小型のフィルム状プラスチックが多く分布していることが観察された。
165度付近のプラスチックゴミの量は,調査海域の北米寄りにある「太平洋ごみベルト」として知られる高密度分布域に同等かそれ以上と推測された。
研究成果の詳細は,東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部のホームページをご覧ください。
日本語:https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20210713-1.html
EN:https://www.a.u-tokyo.ac.jp/english/topics_e/topics_e_20210713-1.html
発表雑誌:Marine Pollution Bulletin
巻号など:Vol. 170, September 2021, 112631
論文名:Large-scale distribution and composition of floating plastic debris in the transition region of the North Pacific
著者:Miyazono, K, R Yamashita, H Miyamoto, NHA Ishak, K Tadokoro, Y Shimizu & K Takahashi
論文URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X21006652
問い合わせ先:農学生命科学研究科 高橋一生 教授
<なお,本研究は「東京大学-日本財団 FSI海洋ゴミ対策プロジェクト(2019-2021)」のACT I:海洋プラスチックごみ問題に対する科学的知見充実「テーマ 1 海洋マイクロプラスチックに関わる実態把握」の成果の一部です。>