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2025.01.16

【プレスリリース】海水魚のマイクロプラスチック排出は速いが腸に残る


海水魚のマイクロプラスチック排出は速いが腸に残る
― 同一魚種による海水・淡水中での粒子排出動態の比較 ―

東京大学の井上広滋教授の研究チームは,海水,淡水の両方に適応できるジャワメダカの稚魚をマイクロプラスチックの懸濁させた水で飼育。体内に取り込まれたマイクロプラスチック粒子の体内残留と体外排出を両環境で比較した。

その結果,海水中では粒子は速やかに排出されるが一部腸に残り、淡水中では排出は遅いが残存しにくいことがわかった。海水中,淡水中では、魚類の生理状態は全く異なる。しかし,両環境におけるマイクロプラスチック粒子の体内動態を同じ魚種で比較した例はこれまでなかった。

マイクロプラスチックの有害性は体内で発現する。そのため環境によって体内残留時間が異なることを示した本研究の成果は有害作用を解明する重要な手掛かりになる。

雑誌名:Science of the Total Environment
題 名:Osmoregulation affects elimination of microplastics in fish in freshwater and marine environments
著者名:Hilda Mardiana Pratiwi*, Toshiyuki Takagi, Suhaila Rusni, Koji Inoue

詳しくは:
https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2025/20250115.html