Research研究内容

ACT I. 海洋プラスチックごみ問題に対する科学的知見充実
テーマ3. プラスチックゴミ削減方策に関する総合的研究

3-1.市民参加によるマイクロプラスチック調査

市民参加によるマイクロプラスチック調査

市民が参加できる海洋マイクロプラスチック調査や海ごみ問題の解決に向けて地域の人々を巻き込み,デザインの力を活用した様々な活動を行っています。主な手段として,ワークショップデザインと実施,ごみ拾い用デバイスの開発,そしてメディアを使用した研究の普及活動を行っています。地域と連携し,楽しく取り組めるデザインを通じた海ごみ問題の解決を目指しています。

現在のフェーズでは,神奈川県逗子市,愛媛県四国中央市,長崎県の3つの自治体と協力し,地域のニーズに合った解決策をデザインの手法を用いて実施しています。逗子市では,行政や地域コミュニティの協力を得て,ビーチクリーンのガイドラインのデザイン(図3-1-1)やごみ拾いのためのツールデザイン(図3-1-2)を行いました。

図3-1-1:逗子市のビーチクリーンのガイドライン.
図3-1-2:逗子市でのごみ拾いツールデザインのテスト.

作成されたガイドラインは逗子海岸に掲示され使用されています。川ごみ拾いのツールデザインも,地域の自治会の協力や助言を受けながら進めています。また企業と連携し,300人規模のマイクロプラスチックのサンプリングイベントも実施しました(図3-1-3)。

図3-1-3:逗子海岸で行われた300人規模のマイクロプラスチックサンプリングイベント.

四国中央市では,市の産業である紙を活用した脱プラスチックのプロダクトデザインを行っています。行政,地元企業,高校生など幅広いステークホルダーを巻き込み,紙製品のアイデアを考えるワークショップを実施し(図3-1-4),プロダクトのユーザーテストも行いました。

図3-1-4:四国中央市の地域の人々を対象に行ったアイデアワークショップ.

現在,アイデアの実現に向けたデザインを進めています。長崎県では,海ごみが漂着しやすい地形を考慮し,県内の3つの高校と連携した海ごみ問題解決ワークショップを実施し,長崎の高校生や大学生と共にアイデアやごみ拾い用ツールのデザインを行っています。

このように,全国の3つの地域で異なる取り組みを実施することで,それぞれの地域に合った解決策を作り出し,他の自治体でも応用できるデザイン手法やプロダクトの開発に取り組んでいます。